Sequence_3

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2023
w14 h18 d2
oil / wooden panel
 
このシリーズというのは、Paletteシリーズと地続きで。

パレットの上にその時の気分に近い明度や彩度の色を置く。それを混ぜ合わせると次から次へ変化する色。パレットの上ににじみ出るように浮かんできた色を筆で拾う。色を受けて動く筆。 あちらへ色がおかれたならば、次に拾った色はこちらへ。

ほとんどわたしの意識らしい意識は働かず、自動的に手が動かされるように、画面を筆が勝手に歩き回るように、パレットから拾われた色は自発的にキャンバスへと移動を繰り返す。ただ単純にそれだけの動き。

伝言ゲームにも似ている。

仕上がった画面(とわたしが感じている)を観ていると、ほとんど他人事のようにしてパレットとキャンバスの間に居るわたしが、うまく「つなぎ」として機能したかどうかもわかる気がする。

「一体全体、それは誰から、誰へむけての?」と聞かれると。「さぁ。まるでわからない。」と、わたしは答えたくなるけれど。

この世界と、わたしの気分と、絵具と、パレットと、キャンバスと、筆と。それがなにか一続きになっている「感じ」は心地よい。「その」、心地よさというのはきっと、何かこの世界にひた隠しにされている秘密に触れることともつながっていて。多分、「これ」を言葉で説明したり数式にしたりするなんてことはしないほうがいい。「これ」は、「このまま」伝わったほうがいいのだと思う。

「これくらいの」曖昧さで、「これだ」と確信をもって感覚するための方法として。

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